7月14日(水)の日経に掲載されている「等伯」の末文です。

~ついでながら、戦国大名たちは領地や領国をめぐって争っていたのではない。彼らが掌握しようとしたのは、流通路と市場なのである。

 鎌倉武士の一所懸命の伝統や江戸時代の農本主義政策の影響があって、今日でも戦国武将たちは国をめぐって争っていたと思われがちだが、今も昔も農業は金にならないものである。~

一所懸命:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%89%80%E6%87%B8%E5%91%BD%E3%81%AE%E5%9C%9F%E5%9C%B0

農本主義政策:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B2%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9

最初の文は、戦前から日本や諸外国のやっていたことと同じだと思います。(今も変わらないか~。)

貨幣経済下で領国を豊かにするには、農作物を作り、加工し、それらを売って貨幣を得なければなりません。

現在では、武力を使って領地を得ようとすることは無理ですが、経済活動拠点を各地に置くことで市場を寡占することはできます。

今も昔も人間のやっていることは変わらないのだなァ。

またアグリビジネスという言葉がありますが、脚光は浴びるけど・・・農作物を作っているだけでは儲からない。

作物を加工したり付加価値を与えて販売しなければダメ。でも農業は自然環境に左右される不安定な部分もある。

農業は、人間が生活を営んでいくうえで絶対に欠かせない基盤。それを営利目的に利用することに人間の深層心理中に抵抗因子みたいなものがあって、自らお金にならないようにしているのかな・・・などと勝手に想像しています。

Guanyin%2C_Monkeys%2C_and_Crane観音猿鶴図.jpg

本文とは関連ないですけど、等伯=長谷川信春が、驚きと感動に胴震いしたという「観音猿鶴図(かんのんえんかくず)。

この小説は勉強になります。