岩手県北上市に「江釣子ショッピングセンター PAL(パル)」があります。

ショッピングセンター業界では地元主導で創られたSCとして、とても有名な存在です。

その「協同組合 江釣子ショッピングセンター」高橋祥元 理事長のコメントが「SC JAPAN TODAY」誌・2011年9月号に次のようにコメントされています。

 生活者のライフラインを担う者として、安心して暮らすことができるような場所を提供するために、我々は常に地域と、お客様に見えざる契約をしている。小売業者として、いわゆる公共事業ではないけれども、公共の仕事をさせていただいている。人々の命を預かって、食べ物一つ、着るもの一つ取っても、我々は地域とお客様と見えざる契約をしているのだということを、経営者である私たちが肝に銘じておく必要があるのではないか。

 災害に備えるためのマニュアルはとても大事だ。しかし、その内容をただ知っているだけでは意味がない。万が一の時には、行動を起こさないと意味がないわけである。

松下幸之助氏の言葉を引用すると、「知識というのは道具だ、それを使うのは知恵なのだ。それは人間なのだ。」

私はこの言葉に感動を覚える。いわゆる名工が、かんなを使っているのを見て、「あの、かんなを使ったら。おれだってちゃんと木を削れる」といっても、技術と心と経験がなければ、そのかんなを使い切ることはできない。その技術というものの使い方をうまくするものが、知恵なのだ。

~中略~

 私は、経営者というのは臆病であってよいと思っている。何かが起こったらたいへんだ、その「たいへんだ」という臆病な気持ちがないと、慢心になる。そうならないように、毎日始末しておこう。そういう気持ちを起こすことが大切だ。後始末は何の役にも立たない。前始末こそが大事だ。そういう臆病心というのは、私は備えの上で必要なことだろうと思う。

~後略~

東日本大震災ではPALも被害を受けました。現在も、いろんな影響下にあると思います。

そのような状況にある高橋理事長のコメントは東北地方だけではなく、全国のSCや小売業に携わる者に重く響きます。

震災から半年以上経過し、我々の日常生活はすっかり元通りですが、被災地は復興が進んでいるとはいえ難問が山積みです。

決して他人事ではなく、忘れることなく、可能な支援は出来る限り続けていきたいと思います。

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PALの全景写真。以前のSC誌の表紙から・・・。

義援金の受付も一旦終了したところもありますが、パレットはまだ設置しています。