日本経済新聞の「生活」面(22面)に「食あれば楽あり」の連載があります。

発酵学者・文筆家である小泉武夫氏が季節の食材と食べ物を、独特のなんとも言えない表現で書いています。

今回は、あっさり湯漬について。

湯漬け・・・お茶漬けみたいなものですが、歴史小説を読むと湯漬けを食べるシーンが出てきます。

戦の前とか、客人をもてなす時とか・・・、ご馳走だったのでしょうね。

 

小泉氏のお薦めは、豆餅の湯漬け。

~切った豆餅をこんがりと焼いて、表面全体をキツネ色に焼き上げ、それを丼に軽く盛った飯の上にのせ、塩をパラパラと撒いてから白湯を掛け、しばらく置いてからたべたのである。

いやはやうまかったですなあ。飯をサラサラと啜り、豆餅も食べると、箸と歯の間でスーッと伸びた餅はプツンと切れて口の中に入ってくる。それはポテポテとしていてとても柔らかく、その餅からは微かな甘みがチュルチュルと湧き出てくるのであった。

そして、豆餅の焼けめから、香ばしい匂いも鼻から抜けてきて、さらに豆も餅からコロコロと出てきて、それを噛むと今度は口中に大豆のうま味が拡がってきて、妙な豆餅の湯漬けを味わったのであった。~(抜粋しました。)

 

想像しただけで口の中に餅の伸びる感じと、豆の丸さが出現します。旨いだろうな~。

実は、今朝は豆餅を食べたので、この表現・感覚はとてもリアル。

筆者も豆餅が大好きなので、これは是非、試してみます。(あと何切れ残っていたかな?豆餅。)