受賞会見が何かと話題を呼んだ、田中慎弥氏の第146回芥川賞受賞作品「共喰い」を読む。

作品の舞台は昭和63年の下関?の辺り。

バブル景気真っ盛りの時代背景なのですが、主人公や登場人物が居住する地域はまったくその恩恵や影響が現われている気配がない。

昭和30年~40年代の雰囲気が感じられます。時代に取り残された地方の小さなまちでの出来事。

「芥川賞」受賞というと高尚な文学作品のイメージでしたが、R18指定のような内容と複雑な人間関係が登場し、読後はスッキリしない何かが胸に引っかかった感じが・・・。

読み易い文章だとは思いますが、人間の業がリアルに描かれているためかチョット疲れる・・・。

でも、これだけ赤裸々に描ける作者は人間が正直な方だと思います。

 

続けて同受賞、円城 塔氏の「道化師の蝶」にかかっています。

これはファンタジーなのか~とても摩訶不思議な世界観で描かれています。まだ途中ですが「共喰い」とは正反対の内容に、少し間を開けて読めばよかったな~と思ったり。

 

ほぼ一年前にも受賞作品である「きことわ」と「苦役列車」を読みましたが、こちらも作者の生い立ちと作品内容が正反対でした。

このアンバランスが話題を呼んで今まで興味を示さなかった、おあんサンのような読者が少しでも増えるのだらうか?。

これも販売テクニックか~。