洋物ハード(?)SFを読んでいます。

「90億の神の御名」は短編集で読み易い。

ただし、各作品の中身は濃いです。

アーサー・C・クラークの小説は、科学考証が正確。1950年代の作品が多いのですが、その描写はとてもリアル。

かつて読んだことのある作品も収録されていますが、描かれている月面の風景や宇宙船内の様子は、初めて読んだ時より~さらに、さらにリアルに思い浮かんでいる。

登場人物と同じく月面を進む無限軌道車の揺れを感じて、月面基地の窓からは沈むことのない地球の姿を眺める・・・。

基地内や宇宙服内の匂いはどんなのかな~。食事は美味いのかな?。

月面はとてつもなく眩しいのだろうな。

知っていることと、今まで経験したことを総動員して文字を映像化・具現化しています。別世界に移動ちう・・・。

 

1950年代は、二大国間を中心に軍拡に伴う宇宙開発競争が始まった頃です。

同時に世界最終核戦争が危惧された始めた頃でもあります。

そんな背景が、濃く現われている作品がいくつか・・・。

「・・・過去一世紀のあいだに人間が手に入れて手なずけたあらゆる放射線のことを、わたしは心に浮かべた。わたしはもう、隔壁のない原子炉の静かな死の雰囲気にふみこんだのと同様、とりかえしのつかぬ運命に陥っているのかもしれなかった。・・・」

「前哨」の一節です。

原発事故とイメージが重なり、ヒンヤリしたものを感じました。

作品が書かれた当時は原子力への期待と同時に、その危険性についても今より認識されていたのでしょう。

制御技術は格段に進歩したと思いますが、~恐れる気持ちが薄くなってきている?。

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「前哨」は月面で発見されたピラミッド型の構築物?を巡る物語です。

画像は「2001年宇宙の旅」の有名な月面モノリス調査シーン。(見ているとワクワクするな~。)

 

何事も少しは「恐れる」気持ちということが大事なのか・・・。