日本経済新聞に連載されていた「等伯」の作家 阿部龍太郎氏がコラムを書かれていました。

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一部抜粋させてもらいます。

~三十二歳の時に七尾から上洛し、妻子とともに七転八倒の苦難に遭遇しながら、ついに松林図を描き上げて天下一の絵師になる。その絵は現代の我々の心を震わせ、限りない安らぎに導いてくれる。奇跡のような仕事ができたのは、ひたむきな求道心と信仰に支えられていたからだ。

等伯のそんな生き方を、多くの人たちが支えた。養父母や先妻の静子、後添いの清子、息子の久蔵、本法寺の日通上人など、等伯が仏涅槃図の裏に名前を記した多くの縁者がいた。

「この人たちのお陰だ」

等伯がそう言っているのだから、彼らとの心のつながりをできるだけ濃やかに表現したい。そう願いながら書いているうちに、愛情こそが人に勇気と活力を与えるのだと改めて気付いた。~

 

文を書いた方が同じなので、小説の続きを読んでいるような気持ちになります。

また、抜粋文中の下線部”濃やか(こまやか)”はフリガナがふってなければ読めなかった・・・。

細やかではなく、濃やか(濃い・情が篤い)と著したところが印象的。

 

作家さんという職業はスゴイな~と感じた次第です。