「華氏451度」レイ・ブラッドベリ読了。

近未来小説・・・というか、殆んど現在のこと?とも取れる内容でした。

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~人類の叡智の結晶である本は、この物語の主人公である”焚書官”のガイ・モンタークらによって容赦なく焼き尽くされる。その代わりに人びとは、<海の貝>と呼ばれる超小型ラジオや、壁一面に取り付けられた大型テレビによって娯楽を提供される。

彼らが生きる社会では、ドストエフスキーディケンズスタンダールも聖書も禁書とされ、人びとは、権力者に都合の良い刹那的な刺激と娯楽によって、家畜のように飼いならされる。その社会では密告制度が奨励され、相互監視社会が実現されている。~ (後書き~)

 

後書きに書かれている作家の本は、読んだことはありませんが、自分の好きな本が読めない・禁止される世の中は、どんな世界か?。(新聞も存在しない。)

訳文は、詩的?な表現で、恐ろしい内容なのだが、読み手を多少安堵させる。

でも、印象に残るのでかえって怖いような・・・・。

これが書かれたのは1953年というから約60年前。

SFというと明るい豊かな未来を描くイメージがありますが、暗い未来が描かれている

「華氏451度」の物語の舞台は大概、黒か灰色の世界観でした・・・。

自由に好きな本が読めて、感じるままに語ることの出来る社会は素晴らしい!。

(新聞のコラムや書評で、ブラッドベリの名が頻繁に登場したのは納得できる。)

普通に生活できる!ことは、当たり前過ぎて殆んど感じることはないが、スゴイことだ・・・。

 

しかし、現在を顧みると<海の貝(耳に装着する)>や壁面テレビどころか、スマホ(使用法が、とてもスマートとは言えないが?)の全盛。

相互監視しなくても建物や街角には監視カメラが常時作動中。

物語より現実が進んでいる部分もあり、決してフィクションとは言えないな~。

機械シェパードは、さすがに実現していないが~。