「金沢城 嵐の間」 安倍龍太郎 読了。

タイトルが「金沢」なので以前から気になっていました。ただし、短編集です。

関ヶ原の戦い以降、豊臣方の諸藩における政治的思惑の中において、”武士の義”を貫き通そうとする、それぞれの登場人物たちの物語。

その為か、美しく儚く悲しくもある結末に余韻が残ります。

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「金沢城 嵐の間」は本丸御殿内にあり、襖には白い波しぶきをあげて荒れ狂う日本海が描かれているという・・・。

~北国街道に出て香林坊の桝型門をくぐり、犀川にかかる大橋の手前を左に折れると、白木の冠木門をかまえた茶屋があった・・・。

現在の大橋を左に折れると・・・風景はマッタク違うでしょうが、臨場感あります。

多分こんな感じだろうな~と、想像しながら読み進みます。

身近な地名が登場するとイメージしやすいですね。

「菊川御殿」という前田利長の邸宅も登場します。すぐ近くの菊川にあったのかな?。

小説内で利長は、敵役として描かれます。

 

“義を貫く”には、主君の方針や世の流れに逆らうことにもなり、400年も前ならば当然に生命にも関わってくる。

 

史実としてもあったのだろうな・・・。