小川未明童話集。

自分の「読む本メモ」に、半年くらい前から書いてあった本書を、ようやく読みました。

どこからメモしたのかは忘れていたが・・・。

当然ながら著者のことも知りません。

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童話なのでホンワカした内容ばかりだろうと思って読み出すと~、不意打ちを喰らいます。

 

巻頭の「電信柱と妙な男」は引きこもり(?)の話。

続く「黒い旗物語」「なくなった人形」「糸のない胡弓」は、ホームレスに関する話。

「牛女」「赤いろうそくと人魚」はハンディキャップを持つ人物の話。

「眠い町」は行き過ぎた自然開発と経済優先主義の問題を投げかけていたりと、現代社会の諸問題にも通じる内容ばかりです。

というか、昔からあったが解消されないことばかり。

そして、「小さい針の音」は、何故学ぶのか、何故働くのか?を問いかける。

いい人間って、どんな人ですか?。

 

人間の本質(優しさ・残酷さ・愚かさ)が、平易な文で著されているのだけに、ストレートに心に突き刺さります。

 

本書カバー裏面に書いてあったとおり、「美しくて怖い、優しくて悲しい、心揺さぶる珠玉のアンソロジー」でした。