「百億の星と千億の生命(Billions&Billions)」 カール・セーガン 滋賀陽子/松田良一 訳

Billion(10億)の上が10Billions(100億)、その次が100Billions(1000億)。

さらに上になるとTrillion(1兆)と~久しぶりに英語に触れる。

なるほど~上手い邦題です。

 

10億を毎秒1づつ昼夜兼行で数えると32年かかり、1兆だと3万2000年かかるという当たり前のことに、あらためて驚く。

因みに1000兆を数えると3200万年かかる・・・どんな数字か想像もできない、マサに天文学的数字。

そして宇宙の年齢は137億年らしい。

数字の説明から始まったので、スケールの大きな宇宙とその未来が語られるのかと思い読み出すが・・・政治的メッセージが目立ったかな。

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著者は、現代文明が直面する気候温暖化、石油資源をめぐる争いに大きな危機感を持ち警鐘を鳴しています。

このままだと地球と人類の未来には暗雲が立ち込めている。

1997年の作品だが著者が危機感をもった事柄は現在は改善されているのか?。

そして、新たな問題が生じてはいないか?。

 

本書中、第17章 ゲティスバーグと今 のスピーチ(1988年7月3日)が感動的です。

今でも遜色なく耳を傾けることが出来ますし、今こそ再認識する必要があるのではないでしょうか。

人類は将来に亘り、ダモクレスの剣の下に暮らしていかなければならない・・・。

 

そして、全編を通して著者の飽くなき真理への探究にも感動しました。

著者は、残念ながら1996年12月に世を去りましたが、その直前まで冷静に自らを観察している様子が感じられ~、ヒョットすると現在も探究の旅に就いているのではないか?と思う。

 

果てしない宇宙へ向かった、パイオニア10号11号ボイジャー1号・2号のように。