「神の鉄槌」 アーサー・C・クラーク 

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西暦2109年、太陽に接近しつつある未知の小惑星<カーリー>が発見された。

その後の観測の結果、直径約1キロ・質量10億トンの<カーリー>は、なんと8ヵ月後に地球と衝突することが判明!。

そうなれば海洋に落ちた場合、高さ数キロにもなる津波が陸地に押し寄せることに・・・。

また、陸地の場合は、衝突の衝撃で舞い上がった粉塵が太陽光を遮断し、硝酸雨のため数十年間は居住不可能の死の星となってしまう~。

 

このなんとも恐ろしい衝突を防ぐため、宇宙船「ゴライアス」が<カーリー>へ向かいます。

まるで、地球と小惑星との衝突を回避する手順解説本みたいな感じ。

人間ドラマは少しダケで、ほとんどが科学的考証に基づき、淡々と解説が進みます。

これが作者の特徴で醍醐味。

どのような方法・・・は、話の肝なので。

 

途中、あろうことか「ゴライアス」の任務を妨害しようとする輩(団体)が登場します。

未来にも狂信者集団(テロリスト)は存在する。

そして、衝突は回避できるのか・・・。

 

~11月1日(日本時間)に直径約600メートルの小惑星「2015TB145」が地球と月の距離の1.3倍のところを通過していったそうです。

何ごともなくてヨカッタ。

ドクロのような形・・・。

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本書中にも「カーリーは一個の髑髏だった」・・・とありました。

なんという一致!。

<カーリー>は落花生のように球状が二連になっているというが、見る位置ではこのように見えるのかも。

 

ちなみに<カーリー>はインド神話で、破壊と殺戮を好む戦いの女神だそうです。