「車輪の下」 ヘルマン・ヘッセ作 実吉捷郎(さねよしはやお)訳

 

確か、学生時代の教科書載っていたので、タイトルと作者名だけは知っていた小説。

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父と故郷の期待を一身に集め、誇りと喜びにあふれて優秀な成績で神学校に入学を果たした、ハンス・ギイベンラアト。

栄光に包まれていたのも束の間・・・学内での教師・級友との葛藤の末に故郷に戻ることになった・・・。

ドラマチックな内容のワリには、淡々と物語が進みます。

暗い~、とても~とても暗い青春小説でした。

今風にいうならば「黒歴史」。

 

小川や森の中での釣りや、級友と詩を語る場面がキラキラと輝いているだけに、全編を覆うドンヨリ~とした背景が際立ちます。

学生時代に読まなくてヨカッタ?、まァ~読んでいたところで現在にはマッタク影響は無かったでしょうケドね。

ちょうど、今が読み時だったのでしょう。

 

何とな~く、自分を主人公に投影しているように感じる不思議な感覚。(成績優秀は除く)

これを読む人は誰しも同様でしょうか?。

 

車輪の下は地面。

地面を這うのは見っともないか?。

押しつぶされてしまうが、そもそも地面が無いと車は通れない。

車輪とは「一般社会」・「利己主義」・「過大な期待」、自分自身か。