「銀の匙」 中 勘助 作

以前、スローリーディングと書いた際の一冊ながら~4年間、熟成?させてようやく読み終えました。

リアル・(超)スローリーディングです。

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作者の幼い頃(5歳~6歳)から青年期(17歳くらい)までの日常の思い出の数々。

まだ、藩政期の名残が感じられる明治20年代の情景が浮かびます。

やさしい伯母さんとのふれあいや、同級生との交流や遊びやが淡々と描かれ、その時々の気持ちの表現が印象的。

自分だったらどう思ったか?、同じ気持ちになっていたか~。

当時は、こころ優しい人が多かったのでしょうか。

元武家階級の家庭だったから?。

 

幼児の遊びの中にも、「山崎合戦の場」、「百人一首」等の歴史上の出来事や古典が、さりげなく、ふんだんに盛り込まれています。

学校で教えなくても、一般常識として低学年から備わっていたのだな~。

本書が、超進学校の授業教材となったことも納得です。

 

ただ、展開がゆっくりなので、間延びした感じがしたのは、現代人がゆえか。

それとも、まだまだ熟成期間が足りなかったため?。