クリスマス・イブには不似合いなタイトル。

「何もかも憂鬱な夜に」中村文則

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作者の作品は「掏摸」に続いて2作目です。

施設で育った刑務官の「僕」は、夫婦を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している・・・。(本書カバー)

 

タイトルや表紙も憂鬱?になるような体裁だったので、手に入れてもなかなか読み出せなかった。

ようやくページを開いてみると・・・「憂鬱」な世界に引き込まれています。

犯罪(バイオレンス)小説・・・全編を通じ暗くじっとりとした主人公や他の登場人物の心の内側が描かれている・・・。

しかし、境遇は違うものの、ひょっとしたら自分のことか?・・・すべての読者も他人事ではないかも。

生々しいから人間なのだ。

 

目覚めよと叫ぶ声が聞こえ』J・Sバッハ 

 

読み終え聞いてみたら腑に落ちました。