「裁判の非情と人情」原田國男

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裁かれるのも「人」なら、裁くのも「人」のはず。

しかし。私たちにとって裁判と裁判官は、いまだ遠い存在だ。

有罪率99%といわれる日本の刑事裁判で、二〇件以上の無罪判決を言い渡した元東京高裁判事が、思わず笑いを誘う法廷での一コマから、裁判員制度、冤罪、死刑にいたるまで、その知られざる仕事と胸のうちを綴る。(本書カバー)

 

黒い法衣の「裁判官」と言われる方はテレビで見たことしかありません。

ましてや刑事裁判。

本書タイトルには非情~とありますが、全編を通じて非常に人情味あふれる著者の人柄が感じられました。

大きな公判の前に『藤沢周平』の「海鳴り」「玄鳥」「蝉しぐれ」をはじめとする作品を読まれるそうです。

~私は、若い裁判官によく『池波正太郎』の「鬼平犯科帳」を読めと勧める。悪い奴は徹底的に懲らしめるが、可哀想な奴は救うという精神で一貫している。ここがいい。裁判官は権力をもっているのだから、可哀想だなと思ったら、量刑相場でなくとも、軽い刑や執行猶予にすればよいのである。検察官の控訴を恐れるべきではない。(P.18)~

現代も大岡裁き?健在。

とても読みやすく、日本の司法制度に興味が湧く内容です。

裁判はコワくない?~当たり前ながら原告にも被告にもならないのが一番ですが。

 

民事裁判だと、もっとオモシロイ(!)ことがあるのだろうな~。(多分)