「火星の人類学者」脳神経科医と7人の奇妙な患者 オリヴァー・サックス  吉田利子 訳

5171Yn9t7uL.jpg

事故ですべてが白黒に見える全色盲に陥った画家。

脳内の腫瘍除去後、昔の記憶しか残らなくなった盲目の男。

自家用機を自在に操り、手術も難なくこなすトゥレット症候群の優秀な外科医。

幼い頃にほぼ失った視力が手術により回復したものの「見える世界」になじめず、再び視力を失うことで安定を取り戻す男。

遥か離れた場所に居ながらも、現在は寂れてしまった故郷の美しい過去風景を細密に描く画家。

パッと見ただけで芸術性の高い建物・風景画や有名絵画の模写が可能な自閉症の子ども。

人間より動物に共感でき、動物行動学の博士であり、自ら酪農施設を設計し事業を行っている自閉症の女性。

人間の感情が理解出来ず、本人曰く「火星の人類学者」。

 

本書に登場するのは、世間一般からすると「特殊な」人々です。

〇〇症~特に精神疾患というと、否定的で近寄りがたい存在を想像してしまうが、ここで紹介されるのは、その疾患ゆえに?高度な能力を発揮する人々。

人間の能力の底知れぬ奥深さを感じる。

本になるくらいだから、とってもレアケースなのかもしれないが、妙な偏見を持つことは避けたいものです。

多種多様な存在があるのが世の中。

「バラバラで一緒」という標語がありました。

画一的なモノばかりだと行き詰ってしまう。

 

以前、読んだサイコパスにも通じるのかも?。