「ケルト 再生の思想」~ハロウィンからの生命循環 鶴岡真弓

 

忘れられた巨人」に影響を受けたことと、元々興味があったので新聞書評で見つけて直ぐ入手。

 

・・・近年、急速に広まったイヴェント「ハロウィン」。その起源は、ヨーロッパの古層、ケルト文明の祭「サウィン(万霊節)」にたどりつく。ケルト暦では、十月三十一日が一年の終わりで始まり。厳しい冬の訪れとともに、世界は闇に閉ざされ、死者がよみがえると信じられてきた・・・。(本書カバー)

41ZOTK+bELL__SX304_BO1,204,203,200_.jpg・・・今日、日本では「英国」と二文字で呼ばれるこの国は、正式には「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」なる国であり、紀元前五世紀から居住していたケルトの言語文化と、その一〇〇〇年後にヨーロッパから侵入してきたアングロ=サクソンとの対立と共存の歴史をもつ国である。

十二世紀からは、アングロ=サクソンがケルトを抑え、十九世紀には世界の覇者、大英帝国を作りあげていく。・・・(P.36)

 

本書は、その内容が書かれている部分と、書中の図解が合っていて理解がススミマス。(大概の本は、紙面の関係で次ページ以降に載っているケースが多い。)

読み進めると死者の魂を迎えるのは「お盆」と似通っています。

キリスト教前の文化には共通点がある。

 

・・・「サウィン/ハロウィン」の夜は、生死の壁が取り払われ、「過去・現在・未来」の時空が交じり合い、大交流が始まり、この世の主人公を豪語し生気を失っている「現在の生者=私たち」の存在など、「過去の生者=死者たち」の精気に軽々と吹き飛ばされてしまう。「生」にあぐらをかいている現代人は、どれだけ軽い存在なのかをも知らされる夜、死者たちの本領の「再生」が始まる。・・・(本書帯)

 

「忘れられた巨人」の世界感への理解が進みました。

「ハロウィン」=「お祭り騒ぎ」と化しているのは、我々がいかに「軽い存在」であることの証?なのかも。