「老人と海」ヘミングウェイ 小川高義 訳

・・・数ヵ月続く不漁のために周囲から同情の視線を向けられながら、独りで舟を出し、獲物がかかるのを待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、三日にわたる壮絶な戦いが始まる・・・。(本書カバー)

数多い、タイトルだけ知っているが未読の作品の一つです。

 

洋上での孤独な戦いは、カジキを仕留めてからも続くのでした。

巨大カジキは獲物でありながら同時に戦友でもあり、サンチャゴの一部でもある。

洋上での過酷なサバイバルが繰り広げられ、帰港した瞬間はホッとしました。

しかし、陸上でも安楽の時はわずかばかり。

老サンチャゴを慕う少年との交流が、しばしの安息の時間。

もっと安全な漁の方法もあるだろうに、それにも関わらず過酷な手段で獲物に挑むサンチャゴは、求道者、修業者です。

または、獲物に対する畏敬からでしょう。