「限界都市」あなたの街が蝕まれる 日本経済新聞社編

・・・「合成の誤謬」という言葉がある。それぞれの個人にとって良いことでも、全員が同じことをすると意図せずに悪い結果を生んでしまうことを意味する。たとえば、個人が将来に備えて貯蓄することは良いこととされるが、国民全員が財を蓄えることに熱心になりすぎると消費が減り、経済全体に悪影響を及ぼす。このように説明されると、多くの人は「木を見て森を見ず」の危うさに思いをいたすだろう。・・・(P.223)

 

日本各地で行われている都市開発はこの言葉に集約されるのでしょうか?。

コンパクトシティーの先進地とされる富山市でも市内を走るLRTの維持に使われる公金と近隣地での商業地開発に翻弄されているようです。

地域全体を見る統括官の不在。

 

そして、タワーマンションの将来発生する大規模修繕費用問題。

加えて入居する世帯年齢層が似通っていることで、将来はマンション全体が高齢化してしまう。

現在起こっているの高齢化ニュータウン事例があるのに同じことを繰り返しています。

マンションデベロッパーの売りぱなっし功罪か。

税収が欲しい地方自治体、住宅・マンションを売りたい開発業者・・・目先の利益にまっしぐら。

読みながら暗澹たる気持ちになるも、本書で紹介されている千葉・佐倉市のユーカリが丘デベロッパーの50年~100年先を見据えた開発手法に明るい希望を感じます。