「オスマン帝国」小笠原弘幸 著

・・・オスマン帝国は1299年頃、イスラム世界の辺境であるアナトリア北西部に誕生した。アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸に跨がる広大な版図を築いた帝国は、イスラムの盟主として君臨する。その後、多民族・多宗教の共生を実現させ。1922年まで命脈を保った。・・・(本書カバー)

オスマン帝国~ってなんだ?。

イスラム教徒の国?西欧とアジアの中間あたりの国?、遥か以前に習った世界史で出て来たかもしれないが、よくワカラナイ国。

偏見と誤解にまみれているが正直言うと、キリスト教徒(善)、イスラム教徒(悪)、仏教(中間)~といった単純な区分けで思っていた時期もあったので、オスマン帝国=悪の帝国みたいな感じで捉えていました。

しかし本書を読むと、多民族・多宗教を柔軟に取りこんでいたようです。

日本史になぞらえると、鎌倉時代から大正時代までひとつの王朝と「国」が存続していた。

国内(王朝の領域内)が比較的まとまっているから600年もの歴史があったのだと思うが、対外的には戦いの連続で戦いの無い時期の方が少ない。

そして王朝内での権力闘争を防ぐために、兄弟殺しや鳥籠と呼ばれる幽閉が行われていた・・・コワイ。

オスマン帝国、ハプスブルク帝国・・・どんなに強大な力を持った帝国も、いつかは終焉の時を迎える。(諸行無常)

完全に滅亡したワケではないが、かつての影響力は無い。

それでも、往時の繁栄の名残りから人々の記憶に残り続け、現トルコ国民のアイデンティティの源として永続していくのでした。

オスマン・サーガ?(叙事詩)。