「万葉集から古代を読みとく」 上野 誠

次回読書会の課題本。

年号の出典~で「万葉集」が注目されているが・・・個人的には古典の授業で出て来た難解なモノという認識しかないのでした。

ということで読み出すのに多少時間がかかる・・・。

 

・・・作り手がいて、歌い手がいて、伝え手がいて、聞き手がいる。歌を巡る流通チェーンのようなものがあって、はじめて歌集が生まれるのである。・・・そういう社会的存在であった過去の歌を、一つの文化財と見ることによって、芸術研究が見落としていたものを洗い出してみたい、と私は考えた。・・・(本書カバー)

 

万葉集の解説なんですが~歌の著者訳がわかりやすかった。(現代風?)

 

・・・歌は人間が他者と行うコミュニケーションのための大切な道具であった。それを記し残そうとするのは、その時々の心情を残そうとする意志があるからにほかならない。私たちは、生きている時が絶対だと思っているけど、死んで残るのは、じつは言葉の方なのである。言葉はその言葉を思い出す人がいれば、いつでも蘇るし、残っていく。それを書き記せば、残ってゆく。・・・(P.47)

 

歌とは単なる娯楽の一種ではなく、未来への言葉と心の継承手段であったのか。

そして、宮中で生き残るための手段であり処世術?でもあった。

雅な?歌が、現代社会に重なります。

今ならネット上にそれぞれの考えや、その文章が残るが、真に将来に亘り残るのは紙に記されたものかもしれない。

歌や文章は、やはり書籍や紙の上で読んだ方がいい・・・そんな気持ちになっております。。

 

当初、万葉集~と打とうとすると「まんにょう・・・」になっていたが、次第に正しく変換されるようになりました・・・とさ。(~_~;)