「獄中記」 佐藤優

・・・私の獄中生活は、五百十二日にのぼった。五百十二日間、四畳(六・六平方メートル)の独房に閉じこめられていた。去年(二〇〇三年)三月に新獄舎に移る前は、冷暖房がなかったので、夏は実に暑く、冬は実に寒かった。

(中略)

独房に収容されている囚人の中には精神に変調を来す人達もいる。そのような環境に一年半近くいると精神がかなり研ぎ澄まされてくる。私自身、このような体験を経たことにより、以前よりも少しだけ忍耐力がついたような気がする。

そのような中で、私はいったい今回の国策捜査が何故になされたのか徹底的に考え、それをできるだけメモすることにした。学術書を中心に二百五十冊近くの本を読み、四百字詰め原稿用紙五千枚、大学ノート六十二冊のメモを作ったが、これも全て私に起きた出来事を私自身が正確に理解するためだった。・・・(P.507)

 

佐藤優の本を読むと読書しなければ!という気になります。(毎回そう思う。)

今回は、本書中の気になった箇所に付箋を付けて、その部分をノートにメモしてみました。

気分はナンチャッテ佐藤優?だが・・・。

巻末に「獄中読書リスト」があります。

拘置所内にも関わらず、数々の難解本に取り組みつつ、語学習得もするなんて・・・。

過酷な環境下でも、自分を見失わず、学び続け、冷静に分析する著者の精神力と向学心に一種の憧れを持ちます。