「縄文の思想」 瀬川拓郎

・・・文字に残されることのなかった縄文人のリアルな思想を、現代の私たちが知ることなどできるのか—。

この本のタイトルを目にしたみなさんは、そうおもわれるにちがいありません。

考古学にたずさわる私自身、縄文人の生き方を律した思想、あるいはかれらの他界観や世界観といった、生々しい観念の世界に分け入る方法を知りませんでした。

しかし、それは可能であると、現在の私は考えています。本書は芸術的な感性などではなく、考古学と神話から具体的な資料にもとづいて縄文の思想を明らかにします。・・・「はじめに」より

 

草創期からだと16,000年~続いたといわれる縄文時代

文字が無いなかで、口伝え?言語も不明瞭ながら、綿々と伝えられてきた「思想」は、「古事記」「日本書記」等の史記や、民間風習にその痕跡を今でも残しているのでした。

近代文明や思想よりも時間をかけて積まれてきた縄文文化。

逆に、縄文思想や文化の蓄積があればこそ、古代~近代の礎になった。

 

現代日本と日本人にも縄文の思想が生きづいています。

奥能登の風習「よばれ」「アエノコト」には「縄文」の痕跡があるのですね。

他にも日本の周縁部や山岳奥地には同様の「思想」が残っている。

 

アイヌ~ヴァイキング~ケルト~も「縄文」と根幹は同じ。

決して、バーバリアンではありません。

 

難解な部分もあったが・・・でも興味深く読めました。