「民俗のふるさと」 宮本常一

・・・日本に古くから伝えられている生活文化を理解するには、まず古いものを温存してきた村や町が、どのように発達して今日に至って来たかを知っておく必要がある、という視点から具体的にまとめられた、日本人の魂の根底に遡る生活空間論。・・・

 

たまに読みたくなる?著者の作品。

昭和39年(1964年)ごろ初刊行で、改訂版が昭和50年(1975年)ということで古さを感じるが、当時ぐらいまでが民俗学の実地調査の限界だったのかもしれない。

 

・・・日本の民衆はもと一般に非常に貧しかった。しかし貧しいにもかかわらず、それをそれほど苦にしなかった。村の人たちの協同によって、いざというときには支えてくれるものがあったからで、その協同の力を生み出していったのが、いろいろの慣習であった。慣習は法律でつくられたものではなく、人が共同して生きていくために、自然的に考えだした人間の知恵であり、しかもそれを持ちつたえて来たものであった。そうした慣習や行事は、時にはたいへん大切にされることがあるかと思うと、時にはお粗末にされ、またこれを消してしまおうとする努力の払われることもあるが、生活の中にしみこんでいるものとして、日常のなんでもない行為や物の考え方の中に生きていることが多い。

それが時にはわれわれの生活文化を停滞させることもあるが、誰に命令されなくても自分の生活を守り、発展させるためのエネルギーにもなる。ほんとの生産的なエネルギーというものは命令されて出て来るものではない。・・・(P.258)

 

本書では、能登や白山の村々のことがいくつか取り上げられていました。

民俗のふるさと~原点が色濃く残っていたのですね。

現在でも引き継がれていると思います。

田舎住まいでヨカッタ?と思うと同時に、民俗を引き継いでいかなければならない・・・という使命感も・・・少し。