月別アーカイブ: 2020年1月
闇市
2020年1月15日 ブログ
「闇市」 マイク・モラスキー編
貨幣・・・太宰治 軍事法廷・・・耕治人 裸の捕虜・・・鄭承博
桜の下にて・・・平林たい子 にぎり飯・・・永井荷風 日月様・・・坂口安吾
浣腸とマリア・・・野坂昭如 訪問客・・・織田作之助 蜆・・・梅崎春生
・・・闇市とは。戦中から戦後にかけて存在していた違法の市場である。とりわけ戦後の闇市は、食料から衣類や日常雑貨まで、日々の暮らしに必要なありとあらゆる物資が売り買いされる場所であった。終戦直後、政府からの配給食料は全く不足していたにもかかわらず、引揚げや復員で人口は急激に増えていた。そんな極限の困窮状況のなかを生き延びるためには、人々は闇市に頼らざるを得なかった。違法とはいえ、全国の主要な鉄道駅付近に闇市が大っぴらに開かれており、「必要悪」として当局にもある程度黙認されていたのである。・・・(はじめに)
その「闇市」を扱った作家たちの短編集。
どの作品も「人間らしさ」が詰まっています。
誰しも戦中戦後の混乱期を生きるために必死。
実体験はないが、各作品を通じて当時の状況~混乱が映像を見るように感じられます。
個人的には冒頭の「貨幣」が好きですね。
絶望と欲にまみれた中にも人のやさしさと、わずかな希望が感じられました。
・・・おぼろげながら今掴めて来たのだ。俺が今まで赴こうと努めて来た善が、すべて偽物であったことを。喜びを伴わぬ善はありはしない。それは擬体だ。悪だ。日本は敗れたんだ。こんな狭い地帯にこんな沢山の人が生きなければならない。リュックの蜆だ。満員電車だ。日本人の幸福の総量は制限されてんだ。一人が幸福になれば、その量だけ誰かが不幸になっているのだ。・・・「蜆(P.282)」
とてもシリアスな文章・・・日本を世界に読み替えることもできる。
どの作品も印象深い。
このように、文学作品として鑑賞できる現代に感謝。
当地の飲食店街にも「闇市」の名残りはありますね。
次回、訪れる機会があれば、ノスタルジーではなく、人々が懸命に生きた証として見てみようと思います。
Crisis 5.0
2020年1月13日 ブログ
1月10日(金)日経紙朝刊「逆境の資本主義」
・・・「私と妻を含め金持ちはもっと税金を払うべきだ」。マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏は昨年末、自身のブログで訴えた。米政府は労働所得への課税に過度に依存しているとして、株式など資産課税を重くするように提案した。
競争の勝者とされる米国の大富豪たちが「資本主義の危機」を唱え始めている。共通するのは、富める者に富が集中する今の仕組みを改めないと、持続性が危うくなるという主張だ。
(中略)
未来への手掛かりを日立製作所と京都大が開発した人工知能(AI)が探った。「失業率」や「豊かさ」といった149の要因から2万通りの未来図を描き、50年の持続可能な社会像を導き出した。浮かび上がったのは「利他的行動」「道徳性」などのキーワード。アダム・スミスの時代に「見えざる手」とされた経済や社会の原動力がAIによって可視化される。。(Crisis 5.0)
乗り越える課題は山積しているとはいえ、この先も資本主義に代わる選択肢はない。自由で多様性に富んだ資本主義の再生へ。次代に向けた模索の道が続く。・・・
全世界70億人がアメリカ~先進国並みの生活水準になった場合、地球のような天体が3つ必要だということを聞いたことがあります。
現在の経済社会がこのまま続くはずがない。
ビル・ゲイツさんの考えに賛同する方が多くなればいい。
もっとも、この方は手の届かない天空から発言しているような気もしますが・・・。
税金云々は個別案件ながら、何かしらの社会還元はした方がいいと思います。
世の中はすべてバランスがとられている。
時期によって、プラスマイナス~はあるが、最終的に帳尻は合うのが自然だと。
まとめて利を得るか~少しずつ得るか、そして、まとめて還元するか~少しづつ還元するか~それぞれのタイミングと気持ちがミスマッチなことで、思い悩むこともある・・・ような気がします。
世の中のことは世の中でしか解決しない。
無責任だが、なるようになる・・・ということも必要かと。
樹木たちの知られざる生活
2020年1月11日 ブログ
「樹木たちの知られざる生活」森林管理官が聴いた森の声
ペーター・ヴォールレーベン 長谷川 圭 訳
・・・動物のようには動かず、声を出さないため、モノ扱いされることもある樹木。しかし、樹木には驚くべき能力と社会性があるのだ。子どもを教育し、コミュニケーションを交わし、ときには助け合う。その一方で熾烈な縄張り争いをも繰り広げる。音に反応し、数をかぞえ、長い時間をかけて移動さえする。・・・(本書カバー)
街路樹・庭木・山林~身の回りにある多くの樹木。
これらの樹木をみる目が変わりました。
樹木~下草~土壌中の微生物・昆虫~そしてそれらを捕食する動物。
それらが存在する大地・海・湖沼・大気・・・すべてが繋がっているのでした。
地球は大きな生命体のような存在。
樹木たちも痛みや喜怒哀楽があり、栄養を分け合い仲間を助ける。
「社会の真の価値は、そのなかのもっとも弱いメンバーをいかに守るかによって決まる」という、職人たちが好んで口にする言葉は、樹木が思いついたのかもしれない。森の木々はそのことを理解し、無条件で互いを助け合っている。(P.31~32)
地球上の植物も動物も根っこは一緒・・・。
樹木に教えられました。
観光公害・・・
2020年1月10日 ブログ
観光公害・・・という言葉を聞く機会が増えている。
その一方で、海外からの誘客が盛んです。
特に今年はオリンピック等のビッグイベントがあるので拍車がかかる。
実際にインバウンド客がいないと成り立たない?観光地や商業・サービス業関係者がいるのも事実。
観光客が増えるのはいいが、従来のお客さんが離れていく・・・これは、市内の近江町市場では以前から言われています。
観光公害~とは言わないまでも、負の影響がみられる。
現在、当地域では沈静化しましたが、近隣に住む外国人留学生のゴミ出しや騒音が問題視されたことがありました。
文化・風習の差が巻き起こす「公害」。
移民の受け入れ~も現実味を帯びてきているが、慎重な対応が求められる。
大きく考え方を変えてソフトランディングするには、三世代~100年くらいの時間が必要かと思います。
宮沢賢治 デクノボーの叡知
2020年1月5日 ブログ
「宮沢賢治 デクノボーの叡知」 今福龍太
・・・ほとんどの作品を「未定稿」のまま遺した宮沢賢治。生涯にわたり書き換え続けられたその手稿が示す「揺らぎ」と可能性を丹念に追うなかで、賢治世界=イーハトーブのまったく新しい姿が見えてきた。石、風、火山、動物などの実在物や、心象、未完といった構造に隠された賢治の創造原理を解き明かし、いまを生きる私たちの「倫理」を問う、画期的批評。・・・(本書カバー)
デクノボー・・・役立たず~とか、人を嘲る意味が強いと思っていたが・・・。
賢治的なデクノボー(土偶坊)は、単に思慮のない存在というのではありません。(中略)デクノボーとは、生きることの悲しみと慈愛とを、ともに全面的に引き受け、俗知としての賢しさに染まることなく超然としている、「知のある無知」の存在といっていい、賢治の理想自我でした。(P.28)
漢字だと「土偶坊」なんですね~土偶です。
ユーモラスな形状が多いので、役に立たないと思われていたので「デクノボー」になってしまったのかもしれない。
しかし研究の結果、土偶はとても大事な存在だったことがわかった。
縄文期の人びとが祈りを込めて~呪術的な目的で作られたと考えられる土偶。
宮沢賢治の故郷であり、活動の舞台でもあった東北地方での出土例も多かった。
宮沢賢治の世界感は、縄文期と結びついているような気がしました。
「銀河鉄道の夜」「よだかの星」「気のいい火山弾」「風の又三郎」・・・あらためて読んだら「発見」があるかもしれない。
雨にもまけず 風にもまけず 雪にも夏の暑さにもまけぬ 丈夫なからだをもち
欲はなく 決して怒らず いつもしずかにわらっている 一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜をたべ あらゆることを じぶんをかんじょうに入れずに
よくみききしわかり そしてわすれず 野原の松の林の蔭の
小さな萓ぶきの小屋にいて 東に病気のこどもあれば 行って看病してやり
西につかれた母あれば 行ってその稲の束を負い 南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北にけんかやそしょうがあれば つまらないからやめろといい
ひでりのときはなみだをながし さむさのなつはオロオロあるき
みんなにデクノボーとよばれ ほめられもせず くにもされず そういうものに
わたしはなりたい
何となく分かった?。
静寂さ
2020年1月4日 ブログ
三が日が過ぎ、お正月気分も薄れて来た感があります。
やや寂しい気持ちと、心機一転~が入り混じる日。
(閑話休題)
昨年末~年始に、ふと夜中に目覚めると、静寂さを感じます。
近所を通過するクルマの音もない~夜間だから静かなのは当たり前だが、この時期は更に静か。
年末年始という期間が静寂さを際立たせている。
特に年始は、この静寂の中、心穏やかに神仏にこうべを垂れることで、前年の感謝と新年への祈りささげる時期かと。
通常は信仰心はあまりないが・・・この時期くらいは。
個人的には、神仏に祈願~お願いより感謝を述べたい。
そのための静寂・・・。
明日(明後日)からは、感じられなくなるな~。
仕事始め
2020年1月3日 ブログ
以前は仕事始めだった本日。
年頭スピーチは無くなったが~そのつもりで~。
昨年は旧建物解体完了に引き続き、新たな商業施設開店と当社にとって、自分にとっても、大きな大きな節目の年でした。
何年も前から絵を描き出し、ようやく実現に至りました。
本当に様々な方からご協力いただいた結果であり、助けられている~おかげさまで~を強く感じます。
あらためて御礼申し上げます。
すべてに感謝、ありがとうございます。
さて、一区切りはつきましたが、本年は次の目標へのスタートを図りたい。
(何であるかはココロの中・・・)
現状に安閑として、胡坐をかいている余裕と時間はありません!。
・・・誰に言うものではないが、自分自身に向かって語るのでした。
グダグダしないように
2020年1月2日 ブログ
アルビス笠舞店は、本日(1月2日)が初売りです。
多くの商業施設でもそうですね。
個人的には、3日くらいからでもイイと思うが、諸般の事情でムズカシイか。
昨年から当方は高みの見物気分・・・申し訳ないが。
ということで?昨年からお正月気分をより満喫?しています。
身体(体重)も、満たされてきた?ようなので、気を付けましょう・・・健康診断も近い。
そして、お正月休みに読書を!と思っていたが、なかなか進みません。(-_-;)
何かとドタバタモードの方が、本を読めるかもしれない~と思ふ。
まっ!まだ、お正月は終わっていませんが。