「サル化する世界」 内田 樹

・・・サルたちは、未来の自分が抱え込むことになる損失やリスクは「他人ごと」だと思っている。その点わが「当期利益至上主義」者に酷似している。「こんなことを続けていると、いつか大変なことになる」とわかっていながら、「大変なこと」が起きた後の自分に自己同一性を感じることができない人間だけが「こんなこと」をだらだら続けることができる。その意味では、データをごまかしたり、仕様を変えたり、決算を粉飾したり、統計をごまかしたり、年金を溶かしたりしている人たちは「朝三暮四」のサルとよく似ている。・・・(本書カバー)

帯の「今さえよければ、自分さえよければ、それでいい」~にドキッ!。

 

何故、学校で学ばなければならないのか?、何故、英語を始めとする外国語を学ぶのか?。

英語はビジネスシーンで役に立つから・・・は、植民地の考え方~らしい。

英語やフランス語でしか味わえないその国の文化的なモノ、機微のようなモノを理解するために外国語習得するべし!・・・なるほど。

~となると、自身の日本語もアヤシイものだな・・・。(-_-;)

 

・・・生き延びるために必要なもう一つは、いかに”愉快に、機嫌よく”生き延びるか、です。不機嫌では想像力も知性も働きません。

悲観的にならない、怒らない、恨まない、。そういうネガティヴな心の動きはすべて判断力を狂わせます。危機的状況下では判断力の正確さが命です。にこにこ機嫌よくしていないと危機は生き延びられません。眉根に皺寄せて、世を呪ったり、人の悪口を言ったりしながら下した判断はすべて間違います。不機嫌なとき、悲しいとき、怒っているときには絶対に重大な決断を下してはいけない。これは先賢の大切な教えです。・・・(P.246)

ウ~ンそうかもしれない。(これがイケナイのか・・・。)(-_-;)

 

現政権批判も織り交ぜながら?興味深く読めました。(猿は悪くない。)

ただ・・・以前の内田本より、ややパンチが弱いような気もしました・・・。