・・・社会や文化、国家など、人文学がなじみにしてきた枠組みから一度離れて、人間が生きる条件を考えてみる。そうすると、浮かび上がってくるのは「惑星」。すなわち「人は地球の上で生きている」という発想だ。当たり前ではないかと言われるかもしれない。だが人文学からすると、これはほとんど盲点になってきた考え方だ。地球、惑星、宇宙などという対象は、自然科学、理系の領分だという意識が強かった。

「人新世」は20年ほど前に、地質学上の時代を区分する新しい仮説として登場した。人間の活動が地球環境に無視できない影響を与えるようになった時期を指す。大ざっぱに言えば、欧州で産業革命が起こった18世紀後半から現在に至る期間だ。科学技術の発達や人口増加、天然資源の浪費などが、火山噴火や隕石の衝突、巨大地震に匹敵するインパクトを持つと考えられるようになった。

理系の分野で唱えられた「人新世」を人文学に取り入れることで、地球や自然で起こりつつあることを、人間と切り離せない切実な問題として議論できるようになると期待している。・・・

 

令和元年5月28日~ほぼ一年前の日経新聞・文化面の特集コラム「令和の知をひらく」哲学者・篠原雅武氏のコメントからの抜粋。

 

たまたま切り取ってあった記事を再見です。

地球上に大きな影響を与えていた「経済活動」を、一瞬にして沈静化させた新型コロナウイルス。

地震や他の自然災害が同時期に発生しなくてよかった。(今のところ~まだわからないが。)

コラムでは、自然の猛威に対する人間の生活領域の「もろさ」にふれられています。

新型コロナウイルスも自然災害・・・。

新型ウイルスで、建物やインフラが破壊されることはなかったが、多くの人命が失われ、感染予防のために人的交流が閉ざされたことで経済活動が大きく滞ってしまった。

1年後のコロナ禍を予見していたかのような気もします。

 

「経済」という言葉には「経世済民(世を経め(おさめ)民を済う(すくう))」の意味もあるそうです。

上手に経済が動けば、平和で豊かな世の中に・・・。

経済=金儲け・お得~と思いがちな、欲たましい我々に反省を促す手段として、新型コロナウイルスは「人新世」に現れた?のかも。

 

来月も(は)「経済」を意識していこう・・・。(大丈夫か?。)