「ファクトフルネス」ハンス・ロスリング 上杉周作・関和美 訳

「世界は分断されている」という思い込み。

「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み。

「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み。

危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み。

「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み。

「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み。

「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み。

「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み。

「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み。

「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み。

 

本書の副題~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣~。

 

特に現在は、コロナ禍で感染者数等の数値も含め、いろんな情報(思い込み?)が乱れ飛んでいます。

メディア情報に一喜一憂し右往左往しがちだが、真実(FACT)は何だ?どうなっている?。

本書を読めば、そのヒントが得られるのでは~と思い入手。

 

地球温暖化や格差拡大~と言われているが、世界はそれほど悪くないのでは?と感じました。

ただし、安心して胡坐をかいたらダメですけど。

 

そして~渦中のコロナはやはり恐ろしい感染症です。

これも正しく(←ここ難しい)対処すれば封じ込められる・・・と思った。

 

・・・朝、顔を洗うときに蛇口から温かいお湯が流れてくると、奇跡のように感じることがある。奇跡を起こしてくれた人たちに、わたしは心の中で感謝する。配管工のみなさん、ありがとう。そんな感謝のスイッチが入ったときには、何を見ても感動して、誰かれかまわず感謝したくなる。公務員、看護師、教師、弁護士、警官、消防士、電気工事の人、会計士、受付係。社会の土台になるさまざまなサービスの網をつくってくれているのは、こうした名もなき人たちだ。物事がうまく行っているときに讃えるべきは、この人たちなのだ。

2014年にわたしはエボラ出血熱と闘うためリベリアに向った。もしここでエボラを止めなければ世界中に広がって、10億もの命が犠牲になり、歴史上のどんな感染症よりも大きな害を及ぼすと思ったからだ。死にいたるエボラウイルスとの闘いに勝てたのは、強いリーダーのおかげではないし、国境なき医師団やユニセフといった有名な組織のおかげでもない。名もなき普通の政府の職員や地元の医療スタッフが、地域活動を通して、いにしえからの葬儀の風習をほんの数日で変えさせたからだ。彼らが命を賭けて死にかけた患者を治療したからだ。面倒で危険で細かい作業を通して、エボラ患者と接触した人たちを突き止め隔離したからだ。社会を機能させている、勇敢で辛抱強い人たちが注目されることはめったにない。でも、本当の救世主はそんな人たちだ。・・・(P.279)

 

内田樹のいうアンサング・ヒーロー(賞賛されることのない人)が、非常時でも世の中を支えている。

エッセンシャルワーカーなんて、いわれ方もされますが・・・これがファクトフルネスの世界。

数値を読み解くことも大事だが、ココがもっと大事だと思います。

 

アタマでっかちにならないように、ファットフルネスにならないように(余談)・・・。