「邦人奪還」自衛隊特殊部隊が動くとき  伊藤祐靖

・・・騒乱に乗じミサイル発射を企む北の軍部に対し、米国はピンポイント爆撃へと動き出す。だが、その標的近くには、日本人拉致被害者がー。日本は、この事態に対峙できるのか?政治家は、国民は、人質奪還の代償として生じる多大な犠牲を直視できるのか?そして、実戦投入される最強部隊の知られざる内実とは?特殊部隊・海上自衛隊特別警備隊の創設者が、政府の動きから作戦行動の詳細までを完全シュミレーションした、これぞ壮絶なリアル!・・・(本書帯)

 

尖閣諸島周辺での中国籍艦船の動きが活発になっている~との報道下、タイムリーな内容もあります。

冒頭の尖閣諸島~魚釣島へ隠密裏に上陸し、島内で行われる「処理活動」シーンでは、人物の息遣い、島の匂い、草や土の感触、温度、湿度~緊張感がリアル過ぎて、ドキドキしながらページをめくるのでした。

著者は実際に魚釣島に上陸したことがある!ので、この描写は実体験に基づきます。

この章だけで、情報量がとても多く~お腹いっぱい・・・満足?・・・。

 

具体的と思われる自衛隊の装備品操作や作戦中のサインやり取り、組織内の雰囲気もリアル~マサに壮絶なリアル(変な日本語・・・)。

政府内の動き、国際情勢の裏の裏の裏・・・また裏を、イッキに読み切りました。

どこまでが創作で事実とは重なる部分があるのか?事実ばかりなのか?創作であって欲しい部分も。

 

・・・「へえ、そんなもんか。じゃあ、相手の考えていることが聞かなくてもわかったりする?」

「はい、わかります。今、何に困っているのか、私に何を求めているのか、感じ取れます」

「ほお、夫婦以上だね」

「そりゃそうですよ。夫婦は一緒に生きるんでしょうが、我々は一緒に死ぬんですから」・・・(P.159)

 

・・・とても興味深く読み終えたが~著者の自己顕示を感じる部分が目だったり(多分)~、終盤が駆け足っぽかったので、チョッとモヤモヤ感が残りました。

 

いずれにせよ自衛隊員が訓練に励める期間が、ずっと続きますように!。