「東大卒、農家の右腕になる。」佐川友彦

・・・農業の現場は課題山積。それでも、日本の農業は万策尽きていない。課題という伸びしろを、希望に読み替える話。

思い切って農家で働いてみたら、自分の働き方とやりがいを見つけ、社会貢献まで志してしまった、キャリアを脱線した。自分探しの話。

机上の空論や間接支援ではなく、現場に人生を投じて寄り添い、現場で答えを見つけ、現場から声を上げる意義を伝える話。・・・(はじめに)

 

ややキャッチーで、上から目線なタイトルの本書です。

国内最高学府から外資企業と、順風満帆な社会人生活を送っていたが・・・メンタルを病みドロップアウト・・・。

その後は縁あって栃木県宇都宮の阿部梨園で働きだし、従業員として毎日現場に常駐し、チームの輪の中に入り、自称「東大卒、畑に出ない農家の右腕」となるまでの5年間を描きます。

 

・・・個人農家の経営改善とは?現場目線で見渡すと、課題の山が、圧倒的な解像度でめの前に迫ってきます。忙しさに追われて未着手だった、やるべきことが山積しています。私たちはその未開の山を伸びしろ、ポテンシャルの塊としてとらえ、課題を処理しつつ、利益と事業の持続性を追求してきました。派手な設備投資やブランド・リニューアルなどではありません。むしろ、既にある良いものを大切にして、今日の業務をちょっとでも良くできる工夫はないか、農園に必要な小さくチャレンジできる新しいアイデアはないか、そんな事を考えて実践し続けた部分最適の積み上げです。・・・(はじめに)

 

後半 第2部の「阿部梨園の知恵袋」のエッセンシャル版100件~具体的な改善提案は、一般企業からすると基本の㋖かもしれないが、付箋を多く付けました。

理解ある同世代の農園主の存在が、本書のような成功事例となるのかもしれない。

当社関連でも参考となる面が多々ありました。

改善前の阿部梨園と似ているところもある。

家業の長所をバトンするために、事業化によって家業の短所を埋め合わせる感覚~がポイントか。

矛盾や理不尽との折り合いをつけながら段階的に・・・(難しいけど)。