「推し、燃ゆ」 宇佐見りん

第164回芥川賞受賞作品。

・・・「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。何ひとつわかっていないにもかかわらず、それは一晩で急速に炎上した。・・・」

 

「推し」「燃える」「炎上」~いまどきのアイドル(この表現はいまどきでは無いかも)、そのファン、そしてSNSが形作る独特の世界観が描かれています。

SNSを通じての半双方向コミュニケーション(一応)が取れるので、「アイドル」は決して高嶺の花ではなく、意外と身近な存在なんですね。

ただ、アップされた画像や周辺情報、交友関係から「アイドル」本人の住所等プライベートが、ピンポイントに特定されてネット上に流れてしまう~ということがあるらしい(恐ろしい)。

「アイドル」は大変・・・芸能人である以上プライベートは皆無なのか・・・。

 

主人公と同世代の時に某アイドルのファンでした。

なんとなく主人公の気持ちはワカラナイでもないが、ここまでのめり込むのは~身近になり過ぎたためか?。

ピーターパンは夢の世界だけの話。

家庭環境も絡んで社会的には挫折・・・なのだが、新たな背骨で立ち上がってほしい。

 

それにしても若い作者は、リアルを見ているな・・・。