「利休の死」戦国時代小説集 井上 靖

・・・天正十年(一五八二)、武田が滅び、信長は本能寺で倒れ、それに代わった光秀が討たれ、天下は秀吉の手中へと動き出すー。桶狭間の戦い(一五六〇)から天目山の戦い、利休の死(九一)までの戦国乱世三十年を十一篇の短篇で描く。・・・(本書カバー)

 

近年に発見された史実に基づく、新たな解釈の信長・秀吉・光秀像ではない、テッパンの正統派(?)戦国時代小説でした。

十一篇中「篝火」「天正十年元旦」「天目山の雲」「信松尼記」の四篇は、武田氏にまつわる内容であり、勝頼の暗愚さ?を協調しているようにも見えます。

天目山の戦いで武田氏は滅亡してしまうが・・・勝頼は決して暗愚ではなく勇猛果敢な武将だった。

ただ、どうしても信玄と比較されてしまうことに焦りが・・・。

本書自体がタイトルどおり、栄枯盛衰~滅びの美学??に満ちていることもあり、題材となりやすかったのかもしれません。

 

戦国乱世~わずか30年の間に歴史が大きく変動しています。

現在もコロナ禍という激動の中にある。