日経紙連載「日本史のネコ」十選(5)

高階隆兼「春日権現験記絵」巻六第三段

・・・奈良・春日大社の霊験譚を集めた絵巻の一段。神社の境内に般若心経を咥えた蛇が現れ、いじめた少年が重病になる。大般若経の転読をすれば治ると神の託宣があり、それに従うと平癒したという。。母と祖母らしき女性が看病し、枕元には切られた瓜、隣に民間祈禱者である巫女と山伏を招き入れ、板敷には猫が丸まっている。・・・

 

わかりにくいので矢印で差したのが猫です(たしかによく見ないとわからない丸い存在)。

周囲の騒ぎをヨソに「我関せず」・・・といった態に見える。

 

現在の春日大社はタケミカヅチ・フツヌシノカミ・アメノコヤネノミコト・ヒメガミの四神を祀るが、以前は神仏習合し春日大明神(春日権現)を祀っていた。

何でも神様にしてしまう?心の広さをそなえていた平安期の日本社会。

祈れば?お経を唱えれば?コロナ禍も仏法の威徳で払える?。

心の狭い?現代日本では無理か・・・。

せめて、この猫のように、ま~るくなれればいいのかも。