「古事記」三浦佑之

・・・古事記で語られているのは、正史として編纂された日本書記とは異なる物語、つまりヤマトに生れた王権によって日本列島が統一される以前の、正史からこぼれた生き生きとした豊かな物語です。古事記はむしろ、中央に背いた者や、争いに敗れて消えていった者たちの無念や悲劇のほうに重点が置かれているように読めます。・・・本書「はじめに」

 

「古事記」の関連本は何冊か読んでいるが、登場人物(神様)多くて、名前も長いので混乱しています。

本書はエッセンシャル版?解説だったので、図解も多く、いまさらながら目からうろこ。

神々の物語でありながら、ヤマト政権成立以前の権力闘争~版図拡大の史実が見えかくれします。

日本書記とひっくるめ「記紀」として、同列扱いできないのが古事記ワールド。

出雲、熊襲、隼人、諏訪、古志・・・歴史は勝者によってつくられる。

 

やまとは 国のまほろば (倭は 真秀なる国どころ)

たたなづく おをかき (たたみ連なる 青々とした垣)

山ごもれる やまとしうるわし (その山々に囲まれた 倭こそ美しい)

 

ヤマトタケルは勝者側であるのに、景行天皇(父)からは認められることはなかった悲劇の英雄(古事記では・・・)。