日経紙連載(7月20日)「ミチクサ先生」(402)

『いいかね。教師はあの築山のてっぺんが最終の目標のごとく教えるだろうし、学生もそう思うだろう。でも実は、勉学も生きることも、いかに早くてっぺんに登るかなんてどうでもいいことさ』

『いろんなところから登って、滑り落ちるのもいれば、転んでしまうのもいる。山に登るのはどこから登ってもいいのさ。むしろ転んだり、汗を掻き掻き半ベソくらいした方が、同じてっぺんに立っても、見える風景は別格なんだ。ミチクサはおおいにすべしさ』・・・漱石談。

 

芥川龍之介との会話の中で、寺田寅彦が紹介した漱石の言葉です。

現在までも含めて、国内~世界最高峰の知識人同士の会話で語られる「ミチクサ」は、一般人の思う「ミチクサ」とはかけ離れたモノでしょう。

・・・でも「ミチクサ」「ムタムタ」ばかりの我が身にとっては、とても勇気づけられる言葉です。

 

「ミチクサ」大いに結構!。