未成年 The Children Act  イアン・マーキュアン  村松 潔 訳

・・・法廷で様々な家族の問題に接する一方、自らの夫婦関係にも悩む裁判官のもとに、信仰から輸血を拒む少年の審判が持ち込まれる。聡明で思慮深く、しかし成年には数カ月足りない少年。宗教と法と命の狭間で言葉を重ねる二人の間には、やがて特別な絆が生まれるが・・・。(本書帯)

 

次回読書会の課題本~何故か、時間がかかり一カ月近くかけてやっと読めました。

 

主人公フィオーナは、子供に関する訴訟専門なのでしょうか?それにしても難しい判断が目立ちます。

本題の「エホバの証人」信者アダムの件も。

自己判断が認められる成年の18歳に3カ月足らないアダムは、両親共々に宗教教義のため、治療に必要な輸血を拒み、生命の危機に瀕している。

信仰に従うか?若者の未来か?裁判所~フィオーナの判断如何によっては、アダムの生命が~未来が左右されます。

 

・・・正しい場所に適切に形成された五体をそなえてこの世に生まれたのは、まったくの幸運にすぎない。残酷でない愛情豊かな両親のもとに生まれたのも、地理的ないし社会的な偶然から戦争や貧困を免れたのも、それゆえに道徳的であることがはるかに容易だと思われるのも、やはりそのせいにすぎないのである。・・・(P.36)

 

信仰に関係なく治療すべきだろう!当たり前だろ!と考えるのは、日本国に住んでいる感覚だからなのかも?。

 

そして、アダムに同マーキュアン著作の「恋するアダム」のアンドロイド「アダム」を重ねてしまいました。

「アダム」だから?意外と~わからず屋、こじらせ屋?なところが・・・。

 

プライベート含め・・・司法関係者といえども、上手く立ち回れないものなのですねぇ。