「第三の噓」 アゴタ・クリストフ 堀茂樹 訳

・・・ベルリンの壁の崩壊後、双子の兄弟の一人が、子供のころの思い出の小さな町に降り立った。彼は少年時代を思いかえしながら町をさまよい、何十年も前に別れたままの兄弟をさがし求める。離れた地でそれぞれの人生を歩んできた双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは?・・・(本書カバー)

 

ふたりの証拠」に続く「悪童日記」三部作の完結編~これで、すべてが明らかに・・・。

前作からの世界観は根底にあります(戦後~それも冷戦終了後に舞台が移っても、ドンヨリと雲が低く垂れこめているような感じ)。

本書の中心として劇的に描かれてもいい出来事のはずだが、なぜかベルリンの壁崩壊についての記述がありません。

双子の兄弟は、あまり影響を受けなかったのか?。

「ぼくら」・・・という表現もなくなり「私」が語る物語。

そして、双子の兄弟含め、登場人物は同じ名前なのだが違和感を感じます。

これはクラウス・リュカ(私)自身の真実なのか創作なのか?。

 

・・・自分の読み込みが甘いのかな?と思っていたが~巻末の解説で明らかになりました。

「第三の噓」~あらためて表紙を見ると~なかなか秀逸な?タイトルかもしれない・・・賛否両論。(^_^;)