帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道 貴志俊彦

・・・日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。・・・(本書帯)

 

1890年に大日本帝国憲法施行~日清・日露戦争、第一世界大戦、日中戦争、太平洋戦争敗戦を経て1947年5月2日 大日本帝国憲法の失効まで56年あまり続いた帝国日本。

この56年という時間は、人間に例えるならばまだまだこれから~とも言えるが・・・国家としては?。

先ずは本題のプロパガンダ~より、この駆け抜けるような「大日本帝国」の56年間に驚きました。

 

日清・日露戦争あたりまでは、戦争錦絵があったりとプロパガンダ~多少は娯楽要素もあったようです。

対外的プロパガンダから戦況悪化にともない国内向け(大本営発表)へと変わっていくなかで、偏向報道や過大広報がますます混乱を深めていくのは、現在からすると滑稽だが、当時は一縷の望みにも縋りたかったのかもしれません。

 

カズオ・イシグロ「浮世の画家」主人公の小野画伯もプロパガンダの担い手でした。

創作ではなく実在の人物も多数いらっしゃったと思いますが、その方々にフォーカスしても興味深いかと・・・。

 

現在も世界各地で起こっている戦争・紛争の報道を見ても双方のプロパガンダ合戦です。

誰しも自分が正義であり、相手より優勢であるというが・・・事実はひとつ。