「戦国武将、虚像と実像」 呉座勇一

・・・織田信長は革命児、豊臣秀吉は人たらしで徳川家康は狸親父。明智光秀は常識人で、斎藤道三は革新者、石田三成は君側の奸で、真田信繫は名軍師。このようなイメージは、わずか数十年前にできたものが実は多い。彼らの虚像と実像を通して、江戸、明治、大正、昭和と、時代ごとの価値観まで浮き彫りにする!・・・(本書帯)

 

以前に本書でヤリ玉に挙がっている?「織田信長」「徳川家康」山岡荘八や「新書太閤記」吉川英治を読んで、登場するそれぞれの有名武将へのイメージを持っています。

作品タイトルになるような武将ならば、先見性があり人心掌握も上手い人物像を描いていました。

文献を基にしているが、文献や史料を5W1H(いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように)で考えると~意図的なモノが多いようです。

それらを除いて(おそらく)客観的な史料をあたって想像した人物像が実像に近いと思われる。

しかし4~500年も前のことですから、真の実像はわからない。

わからない~から、歴史学者や作家が想像を膨らませていき人物が、出来事が~そして「歴史」がつくられていくのでしょう。

本書も先行する武将イメージがあったからこそ、興味深く読めるのでした。

 

・・・ジャンルは違うが、著者の他作家批判も興味深いです。(^_^;)

 

出雲に神々が集うという「神無月」を迎えました。

これも「想像」~「虚像」なのかもしれないが、積み重なることで「歴史」になっております(かな?)。