・・・古来、食事は文化である。食を描いた名作をたどりつつ、各時代における食と美の関係性を探る。・・・

先週から始まった日経紙文化面「美味なるアート十選」実践女子大教授 椎原伸博~その(1)です。

美味なる~に惹かれました。

「貴婦人と一角獣」より「味覚」(1500年頃)

(Toulouse) Le Goût (La Dame à la licorne) – Musée de Cluny Paris

「味覚」「臭覚」「視覚」「触覚」「聴覚」「我が唯一の望み(愛・理解)」をテーマにした6枚のタペストリーのひとつ。

・・・画面左に獅子、右に一角獣が三日月の紋章が描かれた幟や旗を携えて立つ。貴婦人は従者が差し出す鉢から右手でドラジェ(砂糖菓子)をつまみ、左手の上にいるオウムに差し出している。・・・

中世ヨーロッパの絵画にはおどろおどろしい描写が多い(気がする)が、この作品はとても穏やか。

婚礼等の慶事イメージが強いらしい。

他テーマのタペストリーにも、貴婦人と獅子&一角獣が描かれており、いずれも穏やかです。

五感に「我が唯一の望み」が加わると「人間」として昇華出来る?。

 

すべての感覚を備えて、知識・経験が加われば、より一層の美味を楽しめると思います。