日経紙連載「江戸の動物画事情 十選」(2) 森狙仙 「八猿図」

・・・本図に描かれるのは。折枝についた蜂の巣を囲む3匹の猿と背後の母子らしき猿の群れ。危うく蜂に刺されそうになったものか、左端の猿は驚いたように口を開け、右側には手をこまねいた猿が寝そべる。そして正面には、手にした蜂を凝視する猿。・・・

 

蜂と猿(猴)とで「ほうこう」の音が、諸侯に封じられる意の「封候」に通じることから、中国では立身出世を表す画題とされ、我が国でも好まれるようになった。

なんとなくユーモラスな猿図です。

蜂の巣を取り囲む~左の猿(軽率さ)中の猿(思慮深さ)右の猿(羨望)の寓意が見えるというが・・・。

背後の母猿は手に何かを持っているようだが、蜂の巣とは関係ない獲物を得たのか?。

したたかさを感じます。