「くそじじいとくそばばあの日本史」 大塚ひかり

・・・知られざる老人たちの歴史が今明かされる!「昔の人は短命」はウソ!老いてなお、力強く生きる老人たちがいた。現代人のイメージを覆す、昔の老人たちの強烈な人生を綴ったエネルギッシュな1冊!・・・(本書カバー)

 

何ともキャッチーなタイトルに惹かれて手にしました。

 

・・・「もともと、くそといふ国語の意味は、草、瘡、腐る、奇し、楠、薬、癖、曲、屎といふ言葉でもわかるやうに、香しきもの、異香を放つもの、奇しきもの、霊妙なもの、変はつたもの、腐つたものといふ意味をもつてゐる同系の言葉であつて、もとはくすといつたものらしく、沖縄ではいまも屎をくすと発音してゐる」(『古代厠攷』)といいます。神話には、イザナミ命の断末魔のくそから生まれた神もいて、肥やしよろしくモノを生み出すパワーもある。くそにはそんな、どちらかというとプラスの意味もあるのです。・・・(P.14)

 

~イザナミのくそ!から生まれた二神とは、(ハニヤスビコ・ハニヤスビメ)~大地の元、土の神。

嫌われながらも、避けることのできない必要不可欠な存在?=くそ。(説得力ないな?。)

ということで、本書に登場する「くそじじいとくそばばあ」は、秀(屁・・・)でたパワフルな人物が多い。

 

・・・ともすると子や孫に邪魔者扱いされがちな爺婆が生き抜くには、資産が重要です。それを獲得し、かつ守るためには、知恵が不可欠です。時には人を疑う猜疑心がなければ、オレオレ詐欺よろしく、人にだまされて取られてしまうことだって、とくに儒教道徳の普及していなかった古代や中世ならあり得ます。そう考えれば、ケチで狭量にも見える爺婆が昔話の主人公になるのも分かります。昔のヒーロー・ヒロインはくそ爺婆だったわけですよ。・・・(P.159)

 

神話やおとぎ話も一括りに「日本史」というワケにはいかないが、歴史に名を残す先人・先老はパワフルで、したたか~揃い。

だから歴史(言い伝え)として残るのだ。