「エネルギーをめぐる旅」文明の歴史と私たちの未来 古舘恒介

・・・世の中の大抵のことは、エネルギーの切り口で考えてみれば分かりやすく整理でき、腑に落ちるようになる。それが、化石燃料資源の枯渇問題に始まり、原子力の利用をめぐる問題、そして最近では気候変動の問題に至るまで、人類によるエネルギーの獲得が引き起こす様々な問題、総じて「エネルギー問題」と称されるものを生涯学習のテーマとして日々考え続けてきた私が到達したひとつの結論です。

(中略)

本書では、エネルギーの切り口で物事を捉える試みを「旅」になぞらえています。旅という言葉には様々な響きや奥行きがありますが、それらを象徴するものとして「人生は旅である」という言葉があります。私たちは一体全体何者で、どこから現れ、どこに向かっていくのか。こうした過去から現在、そして未来へと向かう一方通行の流れは、実は、私たちが日頃接しているエネルギーの姿そのものだといえるものです。さらには、自らは何者であるのかについても、エネルギーとは何かを考えることで見えてくることがあります。・・・(旅のはじめに)

 

エネルギーをめぐる人類大叙事詩・・・。

エネルギー視点で見ると生物は等しく「燃料」である~という第1章「火のエネルギー」の一文に衝撃を受けました。(燃やせるから・・・。)

すべての生物は、マサに地球という閉じられた太古からの炭素循環の中で存在している。

生きとし生けるものは、有限の炭素資源を分け合って暮らす「兄弟」のようなもの。

また、難しい科学・物理の内容ばかりではなく「火」「エネルギー」にまつわる宗教論まで~幅広く述べる著者の慧眼には脱帽です・・・。

 

豊かな生活を求め続ける限り人類の未来は(>_<)・・・しかし、希望はある。

人類は賢明です。

だからこそ、様々な問題を乗り越えて現在に至り、未来への旅を続けています。

難解な面もありましたが、多くの人の目に触れてほしい本だと思いました。

人類全体で取り組まなければならない、喫緊の「課題」があります。

 

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか