2022年10月17日 北陸中日新聞~考える広場で「魚を食べ続けられるか?」と題して識者3名の意見が掲載されていました。

サカナとヤクザ」を思い浮かべる・・・。

その中にあった、川島秀一氏(民俗学者)が興味深いです。

 

・・・三陸地方には「シキナカ(漁期半ば)にヨマス(魚の勘定)するな」との言い伝えがあります。大漁か不漁かは神のみぞ知ることであり、自然の前では賢(さか)しらを排し、とにかく謙虚であれという漁師の心構えです。・・・

 

もともと漁業は豊かな海の幸を得る行為~どれだけの漁獲量を得ようとか考えることは、人間の欲でしかない。

獲れることもあれば獲れないこともあるのは当たり前なので、漁ができることに対して神に感謝する・・・という古来から言い伝え(民俗学視点)を取り上げています。

海は海産物や塩といった生きるために必要な産物を提供してくれるが、時には嵐や津波で人命を奪うこともある。

海~自然に畏敬の念を抱く。

漁業の世界では、今でも縁起や禁忌~海神信仰が深く浸透しているのでしょうね。

 

漁獲技術の進歩で多くの魚が獲れるようになってはいるが、諸外国との漁獲争い、それゆえ乱獲による漁業資源枯渇が大きな問題となっています。

「シキナカにヨマスするな」・・・人類も自然の一部~行き過ぎた資本主義経済への警鐘か。