「働かないアリに意義がある」 長谷川英祐

・・・アリの巣を観察すると、いつも働いているアリがいる一方でほとんど働かないアリもいる。働かないアリが存在するのはなぜなのか?ムシの社会で行われる協力、裏切り、出し抜き、悲喜こもごもー。コロニーと呼ばれる集団をつくり階層社会を営む「真社会性生物」の驚きの生態を、進化生物学者がヒトの社会にたとえながらわかりやすく、深く、面白く語る。・・・(本書カバー)

 

人間とアリを同レベルでみるワケにはいかないが、自然~生物というのは誠に上手いこと出来ているなーと思いました。

だから、現在まで継続している。

「働きアリ」「兵隊アリ」は便宜上人間が与えた名称で、真実は「働かない働きアリ」や「戦わない兵隊アリ」がいたりして、もっと複雑なんです。

個より種(全体)を優先しないと前へ歩めない~これが「進化」でもあるという「不都合な真実」?も。

 

・・・進化は永遠に終わることのない過程ですが、もしも「完全な適応」が生じれば進化は終わります。(中略)全能の生物がもしいれば、どのような環境でも競争に勝てるため、世界にはその生物しかいなくなるからです。進化とはそんな、存在しない「神」を目指す長い道行だともいえるでしょう。と同時に、なぜそのような生物が存在しないのか、理由を考えることも、生物を理解するうえで大切な姿勢だといえるでしょう。・・・(P.186)

 

生物学は「神」の領域を垣間見る学問だと思いました。

 

働かないことを正当化?する内容ではありません・・・。(^_^;)