日経紙連載「江戸の動物画事情 十選」(6) 渡辺始興「兎図障子腰板」(12面のうち2面)

・・・正寝殿(京都・大覚寺)にはめられた障子腰板の絵は、享保19年(1734年)12歳で入寺した寛深門主(関白・太政大臣を歴任した近衛家煕の子息律君)のために描かれたものだという。彼は享保8年の卯年生まれであった。(中略)幼くして仏門に入るわが子を思う父が抜擢したのは、近衛家に仕えた渡辺始興であった。・・・

 

兎たちはリラックスしているような感じで、特に中央辺りの黒兎は、後ろ足を伸ばして全くの無防備状態。

大寺院の門主というと、何かと制約の多い日常だったかと思われます。

のびのびとした兎図に癒されていたのでしょう。

でも、格式高い寺院なだけに、絵の兎たちのようには~出来なかっただろうなー。