道をひらく」松下幸之助~敵に教えられる(P.178~179)

・・・己が正しいと思いこめば、それに異を唱える人は万事正しくないことになる。己が正義で、相手は不正義なのである。いわば敵なのである。だから憎くなる。倒したくなる。絶滅したくなる。

人間の情として、これもまたやむを得ないかもしれないけど、われわれは、わがさまたげとばかり思いこんでいるその相手からも、実はいろいろの益を得ているのである。

相手がこうするから、自分はこうしよう、こうやってくるなら、こう対抗しようと、あれこれ知恵をしぼって考える。そしてしだいに進歩する。自分が自分で考えているようだけれど、実は相手に教えられているのである。相手の刺激で、わが知恵をしぼっているのである。敵に教えられるとでもいうのであろうか。

倒すだけが能ではない。敵がなければ教えもない。従って進歩もない。だからむしろその対立は対立のままにみとめて、たがいに教え教えられつつ、進歩向上する道を求めたいのである。

それが自然の理というものである。共存の理というものである。そしてそれが繁栄の理なのである。・・・

 

40年くらい前に求めた「道をひらく」を、パラパラ見ていたらここで止まりました。

何故、そんな以前に手に入れたのか?よく覚えていないものの、現在も手元にあります。

熟成されてようやく飲み頃になったワインのごとく~味わえるようになった!ということでしょうか。

これは、現在の選挙ネタや緊迫する国際情勢にも通じるような・・・。

 

でも、なかなか松下幸之助翁のような心境にはなれません。