「日本のいちばん長い日」決定版 半藤一利

・・・昭和二十年八月六日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と最早日本の命運は尽きた・・・。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。・・・(本書カバー)

 

同タイトルで映画化もされて、ストーリー(ノンフィクションだが)は分かっているつもりだったが、読み出すと緊張感あふれる展開の連続。

真夏の皇居内地下防空壕での御前会議に、正装で臨む姿を想像しただけでも汗が滴り落ち、息が詰まりそう。

決まり事だから仕方がないのだが、ポツダム宣言受諾の御聖断が下っても、会議~会議に明け暮れてなかなか「終戦」とならない~もどかしさも・・・。

その間に、徹底抗戦を訴える青年将校が動き出す。

味方同士なのに一触即発~クーデター、内乱で、その結果「終戦」が遠のいてしまう危機感。

そして「終戦」直前まで行われていた本土空襲・・・。

平和な時代に読むと、なんてことをやっているんだ!と思うが、当時の状況では混乱は十分あり得たのかもしれない。

間一髪~偶然の重なり合いで現在がある・・・ということに感謝しかありません。

 

・・・その日のこと、その日から今日までのこと、それは多くの日本人にとって、ここに書くまでもない生きている毎日であろう。この史上いちばんの長い一日を終わったとき、大日本帝国は「歴史」と化してしまった、と、そのことだけをはっきりと記しておこう。・・・(エピローグ)