「日本史サイエンス」蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る 播田安弘

・・・文永の役で日本を危機に陥れた蒙古軍は、なぜ進撃を続けず、一夜にして兵を引いたのか?(蒙古軍は上陸戦に失敗していた!)

明智光秀を討つために羽柴秀吉が中国地方から高速で戻った「大返し」は、なぜ実現できたのか?(秀吉には十分な準備があった!)

莫大な国家予算を投入して建造された戦艦大和は、なぜほとんど出撃しないまま沈没したのか?(大和には活躍できない理由があった!)

エンジニアが「数字」を駆使して謎にせまる!・・・(本書カバー)

 

船舶設計者である著者ゆえの、船にまつわる推理が面白いです。

蒙古襲来は、当時の造船・航海技術では船酔い者続出で戦にならなかった。

秀吉の「中国大返し」は、2万もの軍勢を8日間で220キロ移動させることは、一部を海上輸送させても不可能。

戦艦大和は運用方法に問題があった(戦力逐次投入や燃料節約のため?・・・)。

 

真実はワカラナイが、こういう想像やIF?の世界は楽しい。

 

戦国時代以前~、文献記録は残っているものの、勝者による意図的な記録多し。

戦後75年~経過、戦艦大和に関する記録は多く存在するが、真実の他に政治・思想的、これまた意図的に伝えられしまうことも?。

そんな中にも著者の「大和愛」を感じます。

 

伝説や奇跡・思想を排除・・・数字は真実(多分)を語ることを知りました。