日経紙~地獄の教え十選(4)

「沙門地獄草紙」解身地獄

・・・お刺身やステーキや焼き鳥を食べる時、私たちはたいてい罪の意識にとらわれはしないものだ。けれども、仏教の教えでは殺生は重罪である。因果応報の理論に基づいて、殺生戒を犯した者は、解身(げしん)地獄に堕ちて、自らが料理され、鬼たちに食べられてしまう。・・・

 

幼い頃、テレビか何かでこの絵を見て恐れおののいた記憶が・・・地獄に堕ちるとこうなってしまうのか・・・。

 

新聞でこの連載が始まってから、恐怖記憶のある絵を見続けています。

悪いことすると地獄や!~から、これら絵は教義上のことで空想世界だ・・・と、冷静に見ることができるようになっている(と思う)。

この「解身地獄」へは、肉や魚を美味い美味いと食べているので~絶対に堕ちていきます。

しかし、そのように動物の命を食べないと保ち得ない人の命でもあります。

 

・・・この場面を見る鑑賞者は、鬼たちに喰われる罪人に感情移入をする。そして、あらためて自分が日々食べている魚や牛や鳥の痛みや無念さに気づくことになる。それと同時に、私たちは普段の生活のなかで知らず知らずのうちに他人を傷つけていること、他人を犠牲にして生きていることに想いを巡らすことが求められる。・・・

 

美味いとか不味いは、調理の出来不出来や嗜好の話だが・・・。

食事・・・ありがたく感謝していただきます。